古代文明が栄えた地でも、近代の日本の開拓地でも、とうもろこしは人々の命をつないできた食物でした。食生活が豊かになった今でも、黄金色の実を見つけると、子どもはもちろんのこと、大人もついつい嬉しくなってしまいます。身近なところでとうもろこしを探してみると、それはいつも幸せな光景の中にあります。縁日の屋台の焼きもろこし、映画館のポップコーン、家族や仲間と囲むバーベキューのとうもろこし…。お醤油の焦げる匂いやバターの香り、そして口の中に広がるとうもろこしの甘味とプチプチという食感は、“美味しい”という幸せを運んできてくれるようです。
ところてん
ところてんを美味しいと思うようになったのは、いつ頃だったでしょうか。
子どものころ、ところてんは大人の食べるものと思っていましたし、お八つの時間に口にするものは甘いもの、と決まっていました。暑い日のアイスクリームの美味しさは、大概の人の知るところですが、ところてんの味も、知れば知るほど味わい深まる、日本ならではの涼味。喉ごしや後味の清涼感は、うだるような真夏のお八つにもぴったりです。また、てんぐさという海藻から作られるため、たいへんヘルシー。ひんやり冷やしたところてんと、酢と醤油と辛子のコンビネーションが食欲を刺激して、夏バテ気味の体とアタマを、しゃきっとさせてくれます。
そらまめ
そらまめは、空豆とも、蚕豆とも表記されます。
空に向かってさやが育つので「空豆」といい、豆の形が蚕に見えることから「蚕豆」と書いて、そらまめと読ませるのだそうです。そらまめは、さやから外してしまうとたちまち鮮度が落ちてしまうので、茹でる直前にさやから出し、なるべく早くいただきましょう。また、枝豆と同様にきれいなみどり色は初夏の色そのもの。新鮮なそらまめは皮をむいて、塩ゆでにしただけでも充分美味しいものですが、含め煮や、揚げもの、寄せものなど、温かくても冷たくても美味しいところが豆料理のよいところ。美しい色合いを活したひと皿は、目にも舌にも贅沢な初夏ならではのご馳走となります。